【公演概要】
ボーイズドレッシング#10 結成10周年記念公演
「全員入れますか」
日時:2024年11月1日(金)〜10日(日)
会場:アトリエ居抜き(盛岡食堂高松店2F 酒場タケ坊主内)
【MEMO】
全て持込機材でまかないました。舞台側の電球も普段使っているやつと意図的に変えました。(詳細は後述します)
①空間把握
まず、居酒屋という空間は、シャープではなく、ふわっとしたやわらかい印象があります。特に会場となった「酒場 タケ坊主」では尚更その傾向があると感じました。居酒屋ってアルコールの力を借りながら普段の関係性を保ちながら崩すところは崩すことができる空間であり、その空間を払拭するために照明デザイン的にできることはないかな、とうっすら考えていました。
出た結論は「電球の種類を変えてみる」。
電球には「クリア球」と「フロスト球」があります。居酒屋で常設されている電球はフロスト球。今回は意図的にクリア球を用いて、女優陣にあたる光が普段よりちょっとだけ輝くようにしたいという思いがありました。フロスト球は言っちゃえばすりガラスのため柔和な肌感となります。
フロスト球の場合の輪郭↓
クリア球の場合の輪郭↓
明らかにクリア球のほうがくっきりしていることが写真だけでもわかるかとおもいます。気持ち程度だけど役者の身に纏っている衣装だったり肌をキラキラさせたいというのがあり、今回はクリア球を用いることにしました。
(輪郭云々書いたけど、シーリング(顔当て)当てたらそっちの光が強すぎて輪郭みえなかったけどまあそれはそれ、ということで)
②シーリングのあれこれ
1)使用機材と台数
今回はAmerican DJ のDotzParを6台使うことにしました。前回やったとき(#04 偉大なる生活の冒険)は2台でとっていたのですが、今回の芝居は狭い空間の中で人間の移動が(比較的?)多い故に、後ろに立っている人が前の人と重なって影になってあまり見えないという問題点がありました。そこで、意図的にシーリングの台数を増やし、極力重要と思われるシーンで顔が暗くなることがないように6台で全てとはいかないけどほとんど網羅できるようにしました。
2)色味
顔当ての色味、電球色に近い色合いかつ肌がちょっとリッチな感じに見えるようにしたい→LEEフィルターのL154(PALE ROSE)に近い色味に変更。去年、Fantasista?ish.工藤さんの現場に仕込み要員で入った時に「なんだこの色最高やん」と思って、その後速攻で同じフィルター買いました。あの色味を出すのが個人的に結構難しく、ゲージ調整を稽古ないときに一人暗いアトリエの中でしたものです。
3)特殊効果
座組の稽古の中では「宗教勧誘」と呼ばれていたシーン(劇団員が客演の女優に箱の中身について説明するシーン)だけ、意図的に現実離れした明かりにしました。具体的には、顔当ての色を変な色に変えるというもので、赤とか緑とか普段絶対使わないような色を使って異世界感を出してみました。あ、意図的に今回のチラシのベースカラーの緑と紫を同時に出したりしていましたがお気づきの方はいらっしゃいますでしょうか、、、笑
③エックスで呟いていた数字ってなんやねん
今回「田辺くん」という役をいただき、舞台に立ちつつの照明操作でした。
最後の台詞を言う時に、カラーフィルターを持っていました。基本はお気に入りの色を持ちました。
※数字の前にLがついているものはLEE Filter、ついてないのは東京舞台照明のポリカラーです。
【week1】
1st:872(青紫)
2st:54(濃青緑)
3st:40(黄色)
4st:L110(MIDDLE ROSE/うすピンク、CUTIE STREETの桜庭遥花の色(は?))
(week1出演宮田氏のラストステージのためweek2出演吉川氏に宮田氏のイメージカラーを聞きました)
【week2】
5st:L513(ICE AND A SLICE/3stの時より薄い黄色)
6st:L197(ALICE BLUE/青色)
7st:L063(ICE AND A SLICE/水色)
8st:L137(SPECIAL LAVENDER/うす紫)
④その他
・宗教勧誘のシーン終了後、1時間強照明の変化のきっかけがありませんでした。これは自分のプランしたものだと超異例で、一周回って新鮮でした。
・本編最後直前の明かり、その空間がひとつの絵になるように作りました。劇団員3人(代表、杏子、忽那)は鏡に向かって化粧をし、それをみている松永は3人を見ている。この構図がとても美しくて明かり的にも限られた範囲内でシンプルだけどいい感じの絵ができたなあ、と感じています。お気に入りの構図です。
その写真がこちら↓
意図的に松永のみ照明を当て、本編終了感を出すためにフロアランプも点けました。
ハンガーラックの影がでているのもまたよき。これは個人的好みがダダ漏れです。
あんまりできないなと思ったけど意外とやれることがあるやん!と、可能性は無限大だなと感じた今回の公演でした。
最近ドカ吊りしがちだったので良いリフレッシュになりました。(どう言うことだ)
今後ともよろしくお願いします。プラン依頼お待ちしております!!(特に若手の演出の皆様待ってます🫶)